「愛は技術だろうか。技術だとしたら、知力と努力が必要だ。それとも、愛は一つの快感であり、それを経験するかどうかは運の問題で、運がよければそこに「落ちる」ようなものだろうか。この小さな本は、愛は技術であるという前者の前提のうえに立っている。」

冒頭からはじまるこの、愛は技術、という文章に衝撃をおぼえました。技術ということは、愛に対して学び、理解を深め、そして何より習得することに最高の関心を抱かなければ身につけられないからです。人をなんとなく愛せる人になれたらいいなという思いではなく、人を愛するという意志をもつならば、愛を何よりも学ばなければなりません。この本は愛、そして人間に対する洞察力をより深めてくれる本です。

「人間のもっとも強い欲求とは、孤立を克服し、孤独の牢獄から抜け出したいという欲求である。」「自分以外の人間と融合したいというこの欲望は、人間のもっとも強い欲望である。」これらの文章を読みながら振り返ると、たしかに孤独のときは不安を覚え、紛らすために買い物をしたり、読書をすることで自分以外の何かとつながることをいつも求めていたと思います。そして孤独を恐れる心はほとんどの人の心にあり、今も愛を知らずに呻き苦しむ人がいます。

愛に対する理解が深まれば、私たちは愛を身につけることができます。そして人を愛することができるようになれば、人に生きる力を与え、また自分の生命力を感じることができます。
この世界で学びたいと思うことは、たくさんある。きりがないほど好奇心をかきたてるものが存在するが、何よりも私たち人間とはどんな存在なのか、愛とはなにかという人間の実存に関することが書かれたこの本は、きっと人生を豊かにしてくれる一冊になることは間違いありません。

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